2015年9月2日水曜日

日本橋~隅田川



暑い暑い!
灼熱の日々だったこの夏が、すっと涼しくなった、
ちょうどそんな切り替わりの時期に、
夜の日本橋で娘たちと、夏の思い出。

「そろって浴衣で、どこか出かけたい」というミッション。
しかしこの夏は仕事やバイトでそれぞれ忙しく。

土日に集まれれば、花火大会や夏祭りで充分だったのに、
平日以外でググっても、なかなかいい場所がなく。
探し当てたのが「納涼金魚ちょうちん船」というクルーズ。

「新日屋」という、粋なサイトから見つけたのだけれど、
リーズナブルで気軽ななかにも、古き良き江戸情緒を大切に残していて、
うまい企画だなあと思った。
https://www.shinnichiya.com/

この手にまったくうとかった私も、なぜかふと、
和の装いに目覚め、今後は小粋なばあさんを目指すことになり。
あらゆる意味で切羽詰まった状態の、
いったいどこに、そんな余裕があるのか?
じぶんでも、よくわからないのだけれど。





親子揃って着慣れぬ浴衣で集い、
小雨の降る、大都会の一角である
日本橋の桟橋から、非日常空間へ。

小さなクルーズ船に乗りあい、
見知らぬ同志が飲みかわす。
そんな熱気を帯びて、
目の前にひろがる夜景と水辺を映し出すなか、
小雨はあがってゆく。

隅田川上から眺める、スカイツリー。
船上から見えるは、桜橋。

ここで、非日常から届いた、20数年前の記憶。
私はこの橋を、いくども歩いた時期があった。

長男は、一歳半までこの土地で育った。
歩くよりハイハイがお得意だった彼は、
できあがったばかりのこの橋を、
意気揚々と往復。
一歳で走り回るような早熟の子らを横目に、
手のひらとひざ小僧を、足の裏同様に真っ黒にして。

橋の真ん中でひと休みすると、
いつも誰かが話しかけてくる。
そんな向島の温かな人々が好きだった。
当時22歳の私。
同行した娘たちは、まだ生まれてなかった。

船を下りてから別れるまでの、
わずかな時間で立ち寄った、
イカセンターの天ぷら、お刺身。美味しかった。